中国社会の抱える矛盾 2
目下、中国の指導部はこの点に着目し、現在以上に地方との対立を激化させないように配慮しはじめたように見えます。
もっとも、地方の自立傾向をある程度黙認する一方で、指導部は思想・イデオロギー面での統制は、いっそう強める傾向を示しています。
これには、中国社会の治安状況が全般的に悪化の一途をたどっていることが大きく影響しています。
・・・たとえば公安部長の陶氏は91年の最近の論文の中で次のように述べています。
「この数年、売買春、アヘンの売買など、醜悪な社会現象が沿海や辺境の一部地区に蔓延・発展し、社会主義の精神文明を破壊し、社会治安を危機に陥れている」。
・・・実際、89年の統計数字ですが、広東省広州市では、1年間に約6万件の刑事犯罪が発生。
うち1万8000件が強盗・殺人などの凶悪犯罪だったといいます。
1日平均、約50件の凶悪犯罪が起きていることになります。
同市は現在、無戸籍の流動人口を含めておよそ450万の人口を抱える東京の半分以下の規模の都市。
・・・その都市でこれだけ多数の犯罪が発生するということは尋常の事態ではありません。